毎日のように飲まれているコーヒー。
では、世界で最初にコーヒーを飲み始めた国はどこなのでしょうか?

実はこの質問、答えは少し複雑です。

コーヒー発祥の地はエチオピア

コーヒーの木の原産地とされているのは、アフリカ東部のエチオピアです。

有名なのが、ヤギ飼いの少年「カルディ」の伝説です。

カルディが、赤い実を食べたヤギたちが夜になっても元気に跳び回っていることに気づき、自分もその実を口にしたところ、気分がすっきりした――という話です。

ただし、これはあくまで伝説であり、実際にカルディが存在したという確かな記録は残っていません。

飲み物として広まったのはイエメン

現在のように、コーヒー豆を煎って、砕いて、お湯で抽出する飲み方が広まったのは、15世紀ごろのアラビア半島南部のイエメンと考えられています。

エチオピアに自生していたコーヒーが海を渡ってイエメンへ伝わり、栽培されるようになりました。

イエメンのイスラム教神秘主義者であるスーフィーたちは、夜の祈りの最中に眠くならないよう、コーヒーを飲んでいたと伝えられています。

つまり、

コーヒーの木が生まれた場所はエチオピア。
現在に近いコーヒーの飲み方が始まった場所はイエメン。

ということになります。

「モカ」という名前もイエメンから

コーヒーでよく聞く「モカ」という名前も、イエメンと関係があります。

モカは、かつてコーヒー豆の輸出で栄えたイエメンの港町の名前です。

このモカ港から世界各地へコーヒーが運ばれたため、イエメンやエチオピア産のコーヒーが「モカ」と呼ばれるようになりました。

チョコレート入りのカフェモカよりも、港町モカのほうが先なのです。

コーヒーは中東から世界へ

イエメンで広まったコーヒーは、その後メッカやカイロ、イスタンブールなどへ伝わりました。

コーヒーを飲みながら会話や情報交換をする「コーヒーハウス」も誕生し、やがてヨーロッパへと広がっていきます。

現在では世界中で飲まれているコーヒーですが、その始まりには、エチオピアの自然とイエメンの人々の文化が深く関わっていたのです。

まとめ

「世界で最初にコーヒーを飲んだ国はどこ?」と聞かれた場合、一般的にはエチオピアと答えられることが多いです。

しかし、現在のような飲み物としてのコーヒー文化を作った国という意味では、イエメンも重要です。

普段何気なく飲んでいる一杯にも、アフリカから中東、そして世界へと広がった長い歴史が詰まっています。